NANDフラッシュメーカー、タングステンからモリブデンへ移行:10億ドル超の装置ビジネスチャンス
TREE NEWS 報道: 8月23日、半導体調査会社SemiAnalysisは、3D NANDフラッシュ製造における根本的な材料転換、つまりワードラインのタングステン(W)からモリブデン(Mo)への移行について、X上で一連の投稿を公開した。NANDの積層数が300層を超えると、タングステンの高抵抗、フッ素系化学物質の漏れ、深いホールへの充填性の低さが重大なボトルネックとなる。SemiAnalysisは「モリブデンは最適化ではなく、300層以上のNANDには必須である」と明言している。
この移行は業界全体ですでに進行中である。サムスンは2024年にモリブデンワードラインの量産を開始し、マイクロンは2025年にLam ResearchのALTUS Halo装置を使用した量産を開始、SKハイニックスは2026年末までにモリブデンを使用した375層NANDを立ち上げる予定である。一方、キオクシア/サンディスク(218層)、マイクロン(276層)、サムスン(286層)、SKハイニックス(321層)が現在の積層状況を表している。SemiAnalysisは、モリブデンは2025年のNAND容量の一桁台前半の割合から、2027年には約30%に成長すると推定している。
市場への影響:装置メーカーが利益を得る立場に
この移行は、成膜装置にとって大きな新市場を生み出す。SemiAnalysisは、NANDモリブデン成膜装置の売上高が2027年だけで10億ドルを超え、DRAMやロジックチップがこの材料を採用するにつれて、2030年までに年間約20億ドルに成長すると予測している。Lam Researchが最初の受益者であり、東京エレクトロン(TEL)がそれに続く。応用材料(AMAT)、ASMインターナショナル(ASMI)、中国のNauraは、DRAMとロジックにおけるその後の波からより多くの恩恵を受けると期待されている。
投資家にとって、これは半導体資本装置銘柄に注目すべき明確なシグナルである。モリブデン対応ALD/CVDツールにおけるLam Researchの初期のリードは、収益成長と市場シェアの拡大につながる可能性がある。TELの参入により、2番目の主要プレーヤーが追加される。DRAMとロジックへの長期的な拡大は、市場の拡大につながり、競争力のあるソリューションを開発するAMATとASMIにも利益をもたらす可能性がある。
投資家向け重要ポイント
- 技術転換点:タングステンからモリブデンへの移行は、NAND製造における構造的な変化であり、小幅な調整ではない。300層を超えるスケーリングには不可欠である。
- 装置収益:成膜装置メーカーに新たな収益源が生まれ、2027年には10億ドル超、2030年には約20億ドルが見込まれる。Lam Researchは短期的に最も有利な立場にある。
- 業界採用:サムスン、マイクロン、SKハイニックスはすべてコミットしており、複数年にわたる需要の触媒となる。
- 波及効果:DRAMとロジックでの採用は、NANDをはるかに超えて機会を拡大し、より広範な装置サプライヤーに利益をもたらす可能性がある。
- リスク:新プロセス立ち上げにおける実行リスク、DRAM/ロジック採用の遅延の可能性、装置メーカー間の競争力学が、利益のペースと分配に影響を与える可能性がある。
要約すると、NAND業界のモリブデンへの移行は、材料主導のイノベーションが次世代のパフォーマンスを解き放つ典型的な例である。投資家にとって、半導体サプライチェーンにおける勝者を特定するために、上流の技術シフトを追跡することの重要性が浮き彫りになっている。



