ニュース概要
TREE NEWS 報道: BMOキャピタル・マーケッツは、ブロードコム(AVGO)のカバレッジを「アウトパフォーム」評価と目標株価455ドルで開始しました。アナリストのハーシュ・クマール氏は、ブロードコムをカスタムASICとネットワーキングにおける主要なAIサプライヤーとして強調し、AIチップではエヌビディアに次ぐ第2位としています。別途、ブロードコムは、Anthropicなどの顧客向けAIチップ購入資金として、600億ドル以上(最大1000億ドルに達する可能性)のデットファイナンス調達を協議中と報じられており、ブラックストーンとアポロが参加する見込みです。
業界分析
BMOの強気な見方は、AIインフラにおける構造的シフトを強調しています。ハイパースケーラーやAIラボは、既製のGPUよりもパフォーマンスとコストを最適化するため、カスタムシリコンを求める傾向が強まっています。ブロードコムのASIC設計能力は、ネットワーキング分野での優位性(Tomahawk、Jericho)と相まって、大規模AIクラスターの重要なイネーブラーとして位置づけられています。同社の「AI収益」の軌道は、すでに年間数十億ドルのペースで推移しており、カスタムチップ(TPU、Trainium)のシェア拡大に伴い加速する可能性があります。
報じられたデットファイナンス計画はゲームチェンジャーです。ベンダーファイナンスを提供することで、ブロードコムは事実上AIチップの金融業者となり、Anthropicなどの顧客にとっての初期資本の障壁を低減します。このモデルは、他の業界での設備金融を彷彿とさせ、アドレス可能な市場を拡大し、顧客のロックインを深める可能性があります。しかし、バランスシートリスクが増大し、AI需要サイクルが軟化した場合の信用品質に関する疑問も生じます。
市場の観点から、BMOの455ドルの目標株価は、現在の水準(約170ドル)から大幅な上昇余地を示唆しており、ブロードコムの複数年にわたるAI成長軌道への自信を反映しています。株価はすでにAI楽観論で上昇していますが、BMOはASIC収益がより可視化されるにつれて、さらなるリレーティングの可能性を見込んでいます。
今後の見通し
投資家は、(1) ブロードコムの第3四半期決算とAIカスタムチップ出荷に関するガイダンス、(2) デットファイナンスの最終条件とプライベートクレジット大手との戦略的提携、(3) マーベルやエヌビディア自身のカスタムチップ開発など競合他社の対応に注目すべきです。ファイナンスが成立すれば、ブロードコムはAIの第二の波における「ピックとシャベル」プロバイダーとしての地位を確固たるものにする可能性がありますが、特にファイナンスとチップ販売の統合には実行リスクが残ります。BMOの見解は強気なアナリスト見解の高まりに加わりますが、市場の反応は具体的な受注動向とマージン動向に左右されるでしょう。



