ポーランド議会、暗号資産法案に対する大統領拒否権の覆せず
TREE NEWS 報道: 9月4日、ポーランド下院は暗号資産規制法案に対するカロル・ナブロツキ大統領の拒否権を覆すための投票を行い、賛成241、反対198(棄権3)で、必要な266票に届きませんでした。この否決により法案は宙に浮いた状態となり、デジタル資産に関する包括的な法的枠組みを確立しようとする同国の取り組みにとって大きな後退となりました。
ニュース概要
この法案は、EUの暗号資産市場(MiCA)規則をポーランド法に組み込むことを目的としており、8月にナブロツキ大統領が拒否権を行使していました。大統領は、この法案が金融の安定性と消費者保護に与える潜在的な影響を懸念していました。9月4日の議会投票では、拒否権を覆すために必要な5分の3の多数に達せず、立法プロセスは事実上停滞しました。
業界分析
この動きにより、ポーランドの暗号資産ビジネスは規制の空白状態に置かれます。MiCAに沿った法律がないため、ポーランドの暗号資産取引所やサービスプロバイダーは断片的で時代遅れの規則の下で運営を余儀なくされ、一方でEUの2024年6月のMiCA期限が迫っています。拒否権を覆せなかったことで、ポーランドは既存の暗号資産企業の移行期間を逃す可能性があり、フランスやドイツなど、より暗号資産に友好的なEUの管轄区域への移転を促す可能性があります。
市場の観点から見ると、ポーランドの規制の不確実性は機関投資家の関心と個人投資家の参加を弱める可能性があります。また、この拒否権は暗号資産政策をめぐる政治的分断を浮き彫りにしています。与党連合は法案を支持する一方、大統領と野党は投資家保護と金融犯罪のリスクについて懸念を表明しています。
今後の見通し
この行き詰まりにより、大統領の懸念に対処するための法案の再交渉が迫られる可能性がありますが、これによりEUの期限を超えて実装が遅れる可能性があります。あるいは、ポーランドの企業はEUのパスポート制度に基づいてポーランドの顧客にサービスを提供し続けながら、他のEU加盟国でライセンスを取得するかもしれません。これは、国内の規制監督を弱める回避策となる可能性があります。
ポーランドがこの難局をどのように乗り切るかは、暗号資産関係者にとって極めて重要です。その結果は、同国のデジタル資産情勢を形作るだけでなく、国内の政治的摩擦の中でEUが暗号資産規制を調和させる能力を示すものとなるでしょう。




