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米国株

メモリチップがテックの安全資産に浮上:野村証券、PER2-3倍を指摘

メモリチップがテックの安全資産に浮上:野村証券、PER2-3倍を指摘

テック巨人間のAI軍拡競争が激化する中、米国最大手テクノロジー企業のフリーキャッシュフローは急速に悪化している一方、メモリチップメーカーは静かに現金を蓄積している。野村證券は、市場がメモリセクターを根本的に誤価格設定しており、投資家にテック全体のボラティリティの中で稀な安全資産を提供していると主張する。

最大手テック5社の第3四半期決算は、AI投資への意欲に衰えが見られない一方、財務体力には差が生じている。メタはフリーキャッシュフローが-21億ドルと、上場以来初のマイナスを記録。アルファベットは-91億ドルで2四半期連続のマイナス。アマゾンの直近12カ月のフリーキャッシュフロー赤字は-424億ドルに拡大した。一方、野村は韓国のメモリ大手サムスン電子とSKハイニックスの株価が2027年予想利益のわずか2-3倍で取引されていると推定しており、テック巨人と比べて85-90%のディスカウントとなっている。

AI投資は継続するも、財務耐久力に差

企業のAI投資は生存戦略となっており、企業は営業キャッシュフロー、負債、株式を活用している。第3四半期にプラスのフリーキャッシュフローを維持したのはマイクロソフトのみで+186億ドルだった。アルファベットは6月に800億ドルの増資を発表し自社株買いを停止。メタは議決権なしのクラスC株式を発行し買い戻しを停止。アマゾンの長期負債は約1075億ドルに増加した。市場の反応は明らかで、マイクロソフト株は横ばいだった一方、メタ、アルファベット、アマゾンは決算後にそれぞれ7%、10-13%、5-7%下落した。

2027年について、5社はいずれも具体的な設備投資額を示さなかったが、すべてがさらなる増加を示唆した。野村はSKハイニックスのデータを引用し、2027年の世界クラウド設備投資が60%増加し、4大ハイパースケーラーの合計支出が約1.2兆ドルに達すると予測。これはコンセンサスの30-35%を大きく上回る。このシナリオの下で、野村は4社合計のフリーキャッシュフローが-1440億ドルに転落し、負債と株式による資金調達が必要となり、資本が最も強い資金調達能力を持つ企業に集中すると推定する。

クラウド収益性は改善するも、AIが既存事業を侵食

第3四半期、Azure、Google Cloud、AWSの合計売上高は前年同期比56%増の1099億ドルとなり、受注残は1.82兆ドルに達した。AWSとGoogle Cloudの営業利益率はそれぞれ38.7%と36.2%に達した。野村は、クラウドデータセンターのIRRを基本前提で6-15%、現在のスポットレンタル価格では13-31%と算出している。しかし、AIによる侵食が現れている。Googleの検索売上高の伸びは第2四半期の17%から第3四半期には12%に鈍化した。クエリの伸びは5年ぶりの高水準だったにもかかわらず、Google自身のAIモードがクエリあたりの収益化を希薄化させている。野村は、AI投資はもはや成長の道具だけでなく、防御的な必要性であると指摘する。

設備投資の未達は供給ボトルネックを反映、意欲の減退ではない

マイクロソフト、アルファベット、メタの第3四半期設備投資は予想を下回った。マイクロソフトは500億ドル超のガイダンスに対し452億ドルを支出。第三者データセンターの納入遅延とリースの会計変更が原因だ。アマゾンはチップ(ファウンドリ)の供給不足を明示的に挙げた。野村は、2027年に供給不足が深刻化するにつれ、意図と実行のギャップが拡大すると見ている。

インテルの第4四半期売上高ガイダンスは150-160億ドルで、予想の約170億ドルを下回り、時間外取引で株価は21%下落した。野村は、PC市場の弱さは業界全体に及んでいると指摘。メモリ価格の上昇と供給不足により、第3四半期の世界PC出荷台数は前年同期比約20%減少した。インテルはまた、Intel 3プロセスと基板の不足、イスラエル工場の事故による第4四半期と翌四半期のサーバー出荷の各約3億ドル減少、PC能力をサーバーに転用する際の構造的制約など、企業固有の課題にも直面している。一方、AMDはサーバーとPCでシェアを拡大し続け、Arm陣営(NVIDIA Grace/Vera、AWS Graviton、Google Axion)がインテルのサーバーCPU市場を侵食している。

キャッシュフローの二極化、メモリ評価は大幅に抑制

野村の中心テーゼ:テック巨人とメモリメーカーは正反対のキャッシュフロー軌道にある。テック巨人のフリーキャッシュフローは理論的にはJカーブを描く—まず多額の投資、その後強い営業キャッシュフロー。しかし、フリーキャッシュフローのマイナスは始まったばかりで、ギャップは今後1-2年で拡大する可能性が高い。逆に、メモリメーカーは大規模な株主還元サイクルの始まりにある。野村は、今後数年間で株主還元が倍増し、その後も現金準備が大幅に増加すると予想する。しかし市場はメモリ株に2027年予想PERわずか2-3倍を付与しており、テック巨人4社の平均20.9倍(マイクロソフト24.3倍、アマゾン21.7-23.3倍、アルファベット18.5倍、メタ18.1倍)と比べて85-90%のディスカウントとなっている。野村は、これはメモリ利益のピークを前提としているが、2028年までの供給不足と長期供給契約の増加を考慮すると、市場は利益の持続性について過度に悲観的であると主張する。メモリはテックポートフォリオにおいて稀な安全資産を提供する。

投資家向けの主なポイント

  • キャッシュフローの分岐:テック巨人はフリーキャッシュフロー赤字の拡大に直面する一方、メモリメーカーは現金を蓄積—通常の成長対価値のダイナミクスが逆転している。
  • メモリの深いバリュー:サムスンとSKハイニックスの2027年PER2-3倍は、野村が強く反論する利益ピークシナリオを織り込んでいる。
  • 供給不足の持続:メモリの供給制約は2028年まで続くと予想され、長期契約が増加しており、利益の耐久性を支えている。
  • 今後の株主還元:メモリメーカーは資本還元を強化する準備ができており、現金準備は依然として増加している。
  • テックボラティリティのヘッジ:AI設備投資がビッグテックのフリーキャッシュフローを圧迫する中、メモリはセクター内での防御的エクスポージャーを提供する。

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