歴史的な資本支出サイクル
TREE NEWS 報道: 人工知能は米国史上最大のインフラ投資の波を引き起こしており、ブルッキングス研究所の調査によると、AIデータセンターへの総支出は2025年から2032年の間に10.3兆ドルに達すると予測されている。これは年平均でGDPの約3.63%に相当し、鉄道時代のピークの1.6倍、インターネット・通信ブームの3倍以上である。
コロンビア・ビジネススクールの教授、スタイン・ファン・ニーウベルバーグ氏は、新しい論文『Financing the AI Infrastructure Buildout』でこの調査結果を詳述している。同氏は、5%の名目GDP成長やAIの生産性向上による4%の実質成長といった楽観的なマクロ前提の下でも、投資比率は頑なに高止まりし、約3%にしか低下しないと指摘する。「この数字はマクロ変数の1パーセントポイントの変化には敏感ではない」と述べている。
市場への影響:資金調達における構造的転換
この設備投資サイクルの規模は、すでにAIプロジェクトの資金調達方法を変えつつある。MetaやMicrosoftのようなハイパースケーラーは現在、営業キャッシュフローが生み出す額を超えてAIに支出している。その結果、プロジェクトはリース、合弁事業、特別目的事業体(SPV)、プライベートクレジット、証券化を通じて資金調達されることが増えている。
典型例はMetaのHyperionデータセンターだ。300億ドルと評価されるこのプロジェクトは270億ドルの負債を発行した(負債対資産比率90%)。しかしその負債はBeignetという合弁事業に置かれ、Metaのバランスシートには計上されていない。Metaはまた、4年契約のリースを5回連続で締結し、4年ごとに撤退するオプションと、更新しない場合の残存価値保証を付けている。現行のGAAP規則では、いずれが発生する確率も70%未満であるため、どちらの義務もバランスシートに認識されず、ファン・ニーウベルバーグ氏が「確率の空白」と呼ぶものを生み出している。
このオフバランスシート資金調達は、2008年の金融危機の引き金となったストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)を想起させる。ファン・ニーウベルバーグ氏は類似性を認めつつも、重要な違いを指摘する。AIデータセンターの負債のほとんどは長期であり、長期資産と一致しており、Metaは投資適格の信用力にとどまっている。しかし同氏は、これらの構造を通じてすでに1.4兆ドルの負債が発行され、そのうち7000億~8000億ドルが銀行に保有されていると推定している。
投資家にとっての意味
- 株式:テクノロジー大手は実際よりもレバレッジが低く見える可能性がある。投資家は脚注やオフバランスシートの義務、特に10-Kや10-Qの提出書類を精査すべきだ。AI需要の減速は隠れたレバレッジを露呈させる可能性がある。
- 債券:プロジェクトレベルの負債の急増は新たな資産クラスを生み出す可能性があるが、標準化された開示がなければ価格リスクの評価は困難だ。銀行のこれらの構造へのエクスポージャーは、需要が減速すればシステミックな懸念となり得る。
- 暗号資産:AI主導の計算能力とエネルギー需要は、分散型計算ネットワークやトークン化されたインフラプロジェクトに間接的に恩恵をもたらす可能性があるが、直接的な関連は依然として推測の域を出ない。
- コモディティ:この建設には大量の銅、電力、冷却インフラが必要であり、産業用金属とエネルギーの長期的な需要を支える。
- 通貨:AIブームが米国の生産性を高め、世界の資本を引き付ければドルは強化される可能性があるが、無秩序な巻き戻しはドル安要因となる。
主なポイント
- AIインフラブームは規模において前例がなく、2032年まで年平均でGDPの3.6%に達し、鉄道、高速道路、インターネットのブームを合わせたよりも大きい。
- 資金調達はオフバランスシートに移行し、真のレバレッジを覆い隠し、会計における「確率の空白」を生み出している。
- 規制当局はリスクがどこに存在するか——銀行、プライベートクレジット、テクノロジー企業——を測定する枠組みを欠いている。
- 投資家はより良い開示を求め、AI関連負債への銀行のエクスポージャーを監視すべきだ。
- 目標は投資を止めることではなく、適切な価格設定とリスク管理のための透明性を確保することだ。




